「最高の打鍵感」「タイピングが楽しくなる」と、多くのユーザーから高い評価を得ている東プレのリアルフォース。
しかし、その一方で「購入して後悔した」という声が聞かれるのも事実です。高価なキーボードだからこそ、買ってから「自分には合わなかった」と気づくのは避けたいですよね。
もしかしたら、リアルフォース R3のデザインがダサいと感じるかもしれませんし、リアルフォースはゲームに向かないという評判が気になっているのかもしれません。
また、黒モデルの昇華印刷は見えないという話や、ゲーミングモデルであるリアルフォース GX1の実際のレビュー、別途パームレストのおすすめが必要なのかどうかなど、購入前には数多くの疑問や不安が浮かぶものです。
この記事では、そうしたリアルフォースに関する後悔の声に焦点を当て、購入前に知っておくべき全ての情報を徹底的に解説します。
- リアルフォースで後悔したと感じる具体的な理由
- デザインや打鍵感が合わない人の特徴
- ゲーミング用途でのリアルフォースの評価
- 後悔しないためのモデル選びのポイント
リアルフォースで後悔?購入前に知るべき注意点
- リアルフォースR3はダサい?デザインの評判
- 昇華印刷は見えない?黒モデルの注意点
- 独特の打鍵感が合わない人の特徴
- ノートPCからの移行で指が疲れる?
- 必須?リアルフォースのパームレストおすすめ
リアルフォースR3はダサい?デザインの評判
リアルフォースの購入を検討する上で、意外な後悔ポイントとして挙げられるのがデザインです。特に現行モデルであるR3シリーズのデザインには、ユーザーの間で賛否両論があります。
結論から言うと、R3のデザインが「ダサい」と感じる人は一定数存在するようです。その主な理由は、キーの外側にあるフレーム部分が広く、全体的に丸みを帯びた形状にあります。このデザインは、2001年に発売された初代リアルフォースを彷彿とさせるもので、一部のユーザーからは「前時代的」「野暮ったい」という印象を持たれています。
一方で、先代モデルであるR2シリーズは、フレームが狭くシャープでミニマルなデザインが好評でした。そのため、R2のデザインが好きだったユーザーほど、R3のデザインに違和感を覚えてしまう傾向があります。
R2のデザインが好きなら「R3S」という選択肢も
東プレは、R2のデザインを好むユーザーの声に応える形で、R2とほぼ同じデザインを持つ「R3Sシリーズ」も販売しています。R3Sは有線接続のみですが、シャープなデザインを求める方にとっては有力な選択肢となります。このように、デザインの好みでモデルを選べるのは嬉しいポイントです。
もちろん、デザインの好みは人それぞれです。R3のクラシックな雰囲気が好きだという意見や、「使っているうちに慣れて愛着が湧いた」という声も少なくありません。重要なのは、毎日目にするものだからこそ、自分が納得できるデザインかどうかを事前に確認しておくことです。
Webサイトの写真だけで判断せず、もし可能であれば家電量販店などで実物を見てみるのが一番確実ですね。高級な買い物ですから、デザインも含めて満足できる一台を選びましょう。
昇華印刷は見えない?黒モデルの注意点
リアルフォースの高級感を象徴する仕様の一つに「昇華印刷」があります。これは、キーキャップの樹脂に直接インクを染み込ませる印字方式で、長年使用しても文字がほとんど消えないという大きなメリットがあります。
しかし、この昇華印刷が後悔の原因になるケースがあります。それは、ブラックモデルを選んだ場合です。ブラックモデルの昇化印刷は、黒いキーキャップに、それよりわずかに濃いグレーや黒で印字されています。そのため、キーボードと印字の色のコントラストが非常に低く、視認性が良くありません。
暗い場所での作業や、記号の確認には不向き
特に、少し薄暗い部屋で作業する場合や、プログラミングなどで記号の位置を頻繁に確認する必要がある場合、印字がほとんど見えずストレスを感じる可能性があります。完全にブラインドタッチができる人であれば問題ありませんが、少しでもキーの印字を確認しながらタイピングする習慣がある方は注意が必要です。
もちろん、この「ほとんど見えない」ストイックな見た目を「カッコいい」と感じるユーザーも多く、一種のステータスにもなっています。耐久性を最優先し、見た目のクールさを求めるのであれば最高の選択肢と言えるでしょう。
ただ、視認性を少しでも重視するのであれば、印字がはっきりと見えるアイボリーやホワイトのモデルを選ぶか、印字方式がレーザー印刷のモデルを検討することをおすすめします。
独特の打鍵感が合わない人の特徴
リアルフォースの最大の特徴は、「静電容量無接点方式」スイッチが生み出す独特の打鍵感です。多くのユーザーを虜にするこの感触ですが、残念ながら全ての人に合うわけではありません。
リアルフォースの打鍵感は、よく「スコスコ」「コトコト」といった擬音で表現されます。キーを押し込むと、明確なクリック感はなく、まるで羽毛(フェザー)のように軽くなめらかに底まで到達します。この感触が合わない可能性が高いのは、以下のような特徴を持つ人です。
打鍵感が合わない可能性のある人の特徴
- メカニカルキーボードの明確なクリック感が好きな人:Cherry MX青軸のような「カチッ」という音と感触を求める人には、リアルフォースの打鍵感は物足りなく感じられます。
- ノートPCの浅いキータッチに慣れている人:ストロークが浅いキーボードから移行すると、リアルフォースの深いストロークに違和感を覚え、かえって疲れてしまうことがあります。
- 「撫でるように」タイピングする癖がある人:キーをしっかりと押し込まずに表面を滑るように入力するスタイルだと、キーの反発(タクタイル感)が邪魔に感じられ、スムーズに入力できない場合があります。
これらの特徴に当てはまるからといって、必ずしもリアルフォースが合わないわけではありません。使い続けるうちに、その唯一無二の打鍵感の虜になる人も大勢います。しかし、購入してから「思っていたのと違う」と後悔しないためにも、自分の好む打鍵感を理解しておくことが非常に重要です。
ノートPCからの移行で指が疲れる?
普段ノートPCでの作業が多く、「より快適なタイピング環境を求めてリアルフォースを導入したのに、なぜか指が疲れてしまう」という後悔を抱くことがあります。
これは、ノートPCとリアルフォースのタイピングスタイルが根本的に異なるために起こります。多くのノートPCで採用されているパンタグラフ式キーボードは、キーストローク(キーが沈み込む深さ)が非常に浅く、軽い力で簡単に底打ち(キーを一番下まで押し込むこと)できます。そのため、ユーザーは無意識のうちに「キーを叩きつける」ようなタイピングをしています。
一方、リアルフォースはキーストロークが約4mmと深く、本来はキーを底打ちさせずに、途中の反応点(アクチュエーションポイント)で入力を確定させるのが理想的な使い方です。ノートPCの感覚で同じように底打ちを続けていると、深いストロークの分だけ指に余計な力が入ってしまい、結果として「指がつりそう」「めちゃめちゃ疲れる」といった状況に陥ってしまうのです。
APC機能で入力をアシスト
リアルフォースの一部のモデルには、APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)という機能が搭載されています。これはキーが反応する深さを0.8mm、1.5mm、2.2mm、3.0mmの4段階から設定できる機能です。この設定を最も浅い0.8mmにすることで、少しキーを押すだけで反応するようになり、底打ちの癖を矯正しやすくなります。
言ってしまえば、これは慣れの問題です。リアルフォースの特性を理解し、キーを「押す」のではなく「落とす」ような感覚でタイピングできるようになると、驚くほど指の疲れが軽減されます。ただ、その感覚に慣れるまでは少し時間が必要だと考えておくと良いでしょう。
必須?リアルフォースのパームレストおすすめ
リアルフォースを購入したものの、「長時間使うと手首が痛くなる」と感じて後悔するケースがあります。その原因の多くは、パームレスト(リストレスト)を使用していないことにあります。
結論として、リアルフォースの疲労軽減効果を最大限に引き出すためには、パームレストはほぼ必須のアイテムです。リアルフォースは、一般的な安価なキーボードに比べて本体にかなりの厚みがあります。低い部分でも約2cmの高さがあるため、パームレストなしでタイピングしようとすると、常に手首を上に持ち上げた不自然な角度になってしまいます。
この状態が続くと、手首や腕に余計な負担がかかり、疲労や痛みの原因となります。また、手の位置が安定しないため、ミスタイプが増えることにも繋がります。
パームレスト選びの3つのポイント
- 高さ:リアルフォースのフレームの高さに近い、17mm〜20mm程度の厚みのものを選ぶのが最適です。
- 横幅:使用しているリアルフォースがフルサイズかテンキーレスかに合わせて、適切な幅のものを選びましょう。
- 滑り止め:タイピング中にずれないよう、裏面にしっかりとした滑り止めが付いていることを確認してください。
素材は、温かみのある木製のものや、手首を優しく支えるウレタン製の低反発素材のものなどがあります。これは好みで選んで問題ありません。数千円の追加投資にはなりますが、パームレストを導入することでリアルフォースの快適性は格段に向上します。本体とセットで購入することを強くおすすめします。
用途別で見るリアルフォース|後悔しない選び方
- リアルフォースはゲームに向かないと言われる理由
- リアルフォースのゲーミングモデルとは?
- リアルフォースGX1のレビューと評価
- 押下圧30gと45gで後悔しない選び方
- リアルフォースで後悔しないための最終チェック
リアルフォースはゲームに向かないと言われる理由
最高のタイピング体験を提供するリアルフォースですが、「ゲームには向かない」という評価を耳にすることがあります。これは一体なぜなのでしょうか。
その最大の理由は、前述の通り明確なクリック感の欠如にあります。多くのゲーミングキーボードで採用されているメカニカルスイッチ(特に青軸や茶軸)は、キーを押した瞬間に「カチッ」という物理的なフィードバックがあります。これにより、プレイヤーは「今、キーが入力された」ことを確実かつ瞬時に認識できます。
一方、リアルフォースの静電容量無接点方式は、オンとオフの境界が曖昧に感じられることがあります。特に、一瞬だけキーを押したり、逆に長押ししたりする操作が頻繁に求められるゲームにおいて、この特性がデメリットになる場合があります。
入力の確信が持てないストレス
例えば、キャラクターを微妙に動かすための短いキー入力や、スキルを発動するための長押し操作の際に、「ちゃんと押せているかな?」という一瞬の迷いが生じることがあります。コンマ1秒の判断が勝敗を分けるシビアなゲームシーンにおいて、この入力の曖昧さが誤操作やストレスにつながる可能性があるため、「ゲームに向かない」と言われているのです。
ただ、これはあくまで好みの問題でもあります。軽いタッチで入力できる点をメリットと感じるゲーマーもいますし、何よりこの課題を解決するために開発された専用モデルが存在します。
リアルフォースのゲーミングモデルとは?
「ゲームに向かない」という評価を覆すため、東プレがゲーマー向けに特化して開発したのが「ゲーミングモデル」です。その代表格が「REALFORCE GX1 Keyboard」です。
このモデルは、通常のリアルフォースが持つ上質な打鍵感はそのままに、ゲームで勝利するために必要な最先端の機能を搭載しています。通常モデルとの最も大きな違いは、キー入力のオン・オフを高速化・最適化する機能が充実している点です。
機能 | 通常モデル(R3など) | ゲーミングモデル(GX1) |
---|---|---|
APC機能 | 4段階(0.8, 1.5, 2.2, 3.0mm) | 0.1mm単位で設定可能(0.1〜3.0mm) |
ラピッドトリガー | なし | あり(0.1mm〜2.5mmで設定可能) |
キルスイッチ | なし | あり |
ゲーミングモデルの主な専用機能
- Dynamic Mode(ラピッドトリガー):キーを押し込んだ距離ではなく、キーを上げた瞬間にオフになる機能。キーをわずかに戻すだけで再入力が可能になり、特に高速なストッピングや連打が求められるFPSゲーム(VALORANTなど)で絶大な効果を発揮します。
- 0.1mm単位のAPC設定:キーの反応位置を極めて細かく調整可能。自分のプレイスタイルに完璧に合わせ込むことができます。
- Kill Switch:APEX Legendsなどで便利な機能。指定した2つのキーを押し続けると、3つ目のキーが自動で入力されるマクロのような機能です。
このように、ゲーミングモデルは通常モデルとは一線を画す、まさに「勝つための」キーボードと言えます。もしあなたが本気でゲームに取り組んでいるのであれば、中途半端に通常モデルを選ぶのではなく、ゲーミングモデルを検討するのが後悔しないための最善の道です。
リアルフォースGX1のレビューと評価
では、実際のところゲーミングモデル「REALFORCE GX1」の評価はどうなのでしょうか。多くのレビューをまとめると、「ゲームも仕事もこれ一台で完結させたい人にとって、最高の選択肢の一つ」と言えます。
GX1の最大の強みは、やはりラピッドトリガー機能です。VALORANTやAPEX Legendsといった競技性の高いFPSゲームにおいて、キャラクターコントロールの精度が格段に向上するという声が多数あります。キーを離した瞬間にストッピングが完了するため、撃ち合いにおいて非常に有利になります。
REALFORCE GX1のメリット
- ラピッドトリガーによる圧倒的な反応速度
- 0.1mm単位で調整できる柔軟なAPC設定
- 静電容量無接点方式ならではの上質な打鍵感
- ゲームだけでなく、長文入力などの普段使いも非常に快適
- 頑丈なスチールフレームによる高い剛性と安定感
一方で、デメリットも存在します。最も大きいのは価格で、最高級モデルにふさわしく約3万5千円と非常に高価です。また、接続方式が有線のみである点や、ABS素材のキーキャップが標準である点(別売りのPBTキーキャップに交換可能)をデメリットと感じるユーザーもいるようです。
価格は確かに高いですが、その価値は十分にあるという意見がほとんどですね。ゲームでのパフォーマンス向上はもちろん、タイピングが快適になることで仕事や創作活動のモチベーションも上がります。まさに「究極のハイブリッドキーボード」と言えるでしょう!
押下圧30gと45gで後悔しない選び方
リアルフォースを選ぶ上で、非常に重要かつ悩ましいのがキーの重さ、すなわち「押下圧」の選択です。主に「30g」と「45g」の2種類があり、この選択を誤ると「使いにくい」という後悔に直結します。
どちらを選ぶべきか、それぞれの特徴と向いている人を解説します。
押下圧:30gモデル
「フェザータッチ」と称される、リアルフォースの代名詞とも言える軽さを体験できるのが30gモデルです。キーに指を置くだけで入力されるような感覚で、長時間のタイピングでも指の疲れを最小限に抑えられます。
- 向いている人:
- とにかく軽いキータッチを求める人
- 一日中タイピングをするライターやプログラマー
- 腱鞘炎などで指の負担を減らしたい人
- 正確なタッチタイピングができる人
- 注意点:
- 軽すぎるため、意図しないミスタッチが増える可能性がある
- キーの上に指を置いて考える癖がある人には向かない
押下圧:45gモデル
45gは、多くのキーボードで標準とされる重さです。30gに比べるとしっかりとした押し心地と反発があり、確かな打鍵感を得られます。どちらか迷った場合は、こちらを選んでおけば大きな失敗はない、という汎用性の高いモデルです。
- 向いている人:
- しっかりとした打鍵感を好む人
- ミスタッチを減らしたい人
- ゲーム用途がメインの人(誤爆を防ぎやすい)
- 初めてリアルフォースを購入する人
- 注意点:
- 30gモデルほどの軽快さはない
可能であれば、必ず店頭で試打を!
押下圧の感じ方は、個人の感覚やタイピングの癖に大きく左右されます。Webサイトの情報だけで判断せず、購入前に家電量販店などで実際に両方のモデルを触ってみることを強く推奨します。これが、押下圧選びで後悔しないための最も確実な方法です。
リアルフォースで後悔しないための最終チェック
最後に、あなたがリアルフォースを購入して後悔しないために、この記事の要点をチェックリストとしてまとめました。購入ボタンを押す前に、ぜひ一度ご確認ください。
- R3のデザインは丸みがあり好みが分かれることを理解したか
- シャープなデザインが好きならR3Sも選択肢に入れる
- 黒モデルの昇華印刷は暗い場所で見えにくいことを許容できるか
- 視認性重視なら白モデルやレーザー印刷を検討する
- スコスコとした独特の打鍵感が自分の好みに合うか
- メカニカルのような明確なクリック感はないと認識しているか
- ノートPCからの移行には慣れが必要だと理解したか
- 本体に厚みがあるためパームレストがほぼ必須である
- パームレストの追加費用も予算に含めているか
- ゲーム用途がメインなら通常モデルは向かない可能性がある
- 本気でゲームをするならゲーミングモデルGX1が最適解
- 軽いタッチが好きなら30g、確実性を求めるなら45gが基本
- 押下圧はできるだけ実機で試してから決める
- APC機能でキーの反応深度を調整できるモデルか確認
- 決して安い買い物ではないため自分の用途と好みを明確にする